子どもって素敵

おばさんの子育て知恵袋と徒然なる日々

追悼。

園で飼っていたウサギのケージに入りたがる子を優しく見守る。


先日、尊敬するひとりの先輩が逝去された。
私自身もう62歳という年齢なので、今までも悲しい別れは経験してはきたが・・。


私が短大を卒業して初めて就職した保育園で一緒に過ごした先輩。
その園は開園したばかりの園。卒業したての私たち新人にとっては、本当に色々な面でのサポートをしてもらった。
若くて思慮が足りなかった私は、時には子どもに対等に怒ってしまうこともあり、そんな時はすぐにフォローに入ってくれたりと子どもたちにとっても私たちにとっても常に優しく見守ってくれる方だった。


彼女がその園を離れて次の年には私もその園を離れた。10年間一緒にその園で過ごしてきた。その園を離れてもプライベートでも仲の良かった人たちで「わすれな草の会」を作り、その園で働く人たちも巻き込んで毎年1回食事会を開き、お互いに近況を報告しあったりしていた。
何十年も毎年、年1回だったけど、会うことが楽しみだった。


私はどちらかというとネガティブな性格で、気持ちが沈んだり、自分の不甲斐なさばかりを思ったりしていても、この食事会で彼女の話を聴くといつもボジティブな考え方に勇気をもらったり、すごいな、私もがんばろうと思えた。私にとっては彼女の言葉がリセットになっていた。もちろん逆にそんな風には考えられない、真似できないなんて思ったりしたこともあったけど・・。
彼女はいつも何かに挑戦していて、新しい自分を磨いていた。
その人柄が様々な分野から声がかかり彼女は多くの人に素敵な影響を与え続けたと思う。


そして何よりも、彼女はご主人が大好きだった。ご主人の事を話すときはいつも可愛い少女のような表情をしていた。
ある日、みんなで泊りがけでの食事会の時、私がご主人とにこやかに話していると、ちょっとだけ妬いたような表情を見せた事があったりと、羨ましいくらいの仲の良いご夫婦だった。
若い時はご主人が酔って道に寝ているのを「もう!」と思いながら運んだ話などをしながらも懐かしそうにそして2人で歩んできた人生を振り返るように話してくださったこともあった。


先輩だけど可愛い人だった。少しだけ高い声で笑う笑顔、「そうなのよ~!」と手を振りながら屈託のない笑い声。ここ数年コロナの為もあり、会えなかったけど今でも彼女の話し方や、声はしっかり覚えている。


彼女はいつも新しい事にチャレンジし、近年は自宅にハーブ園を作り、ハーブティをブレンドし、食事会で集まった人たちに○○に効くよと紹介してくれていた。


Twitterを始めたの❣と嬉しそうに言っていた、私はすぐにフォローし、遠く離れた場所からも彼女の詩や彼女の言葉に会えるのを楽しみにしていた。


そんな彼女のご主人が逝去されたとの話を聴き、彼女が心配になった。でもTwitterで少しずつ生きていることに感謝するツイートがあったりしたので、きっと彼女なら大丈夫と思っていた。

若かりし頃、自費で出版した写真集。「子どもって素敵」の1ページ。


しばらくしてから、全くツイートがなくなり心配していた。
友人たちと話たばかりだった。
そして、息子さんからのツイートで彼女の事を知った。
本当に信じられない。


この日たまたまいつも観ている番組で、占いがあり、「尊敬する人の真似をしましょう」というような内容だった。全く離れて生活していたので、普段は忘れていた彼女の事がなぜかすぐに浮かんだ。そのあと友達からのライン、そしてツイート・・・。


そんな中でも当たり前だけど仕事で笑っている自分がいて、でも一人になると、なぜか涙がこぼれた。思いだす度、悲しくなる。それほどの存在だったのだなと感じている。

私の写真集に詩を書いてくださった。



会いたかった、また会って話がしたかった。
もう一度あの笑い声が聴きたかった・・・。


        ご冥福をお祈りします。